カードローンの極度額は年収の3分の1まで!限度額との違いは?
カードローンには極度額と利用限度額の2種類の上限額が設定されます。この2つの言葉の違い、分かりますか?
契約後に「あれ?思っていた金額まで借りることができないぞ…?」とならないためにも、言葉は正しく知っておく必要があります。
そこで、カードローンの極度額と利用限度額の違いについて紹介していきます。極度額と利用限度額の違い、極度額が設定される理由、実際に借りられる金額はどっちなのか、順を追って見ていきましょう。
知っておくと安心!カードローンの極度額と利用限度額の違い
カードローンには極度額と利用限度額という言葉があります。極度額は契約額とも言えますよ。
用語 | 意味 |
---|---|
極度額 | 契約書に記載された融資可能額、契約額 |
利用限度額 | 実際に借入れできる金額 |
上記を見て「契約額が利用限度額ではないの?」と思いますよね。実は契約額は50万円となっていても、実際に利用できる利用限度額は20万円までとなっている場合があるのです。
もちろん契約額が50万円で利用限度額も50万円となっている場合もありますので、全員の契約内容が同じわけではないのですが、極度額=利用限度額ではないのです。
よく見ると、カードローン商品の融資額も「契約極度額は最高800万円まで」といったように「極度額」という言葉を使っているところが多いですね。
極度額とは
極度額とは、「当社としては○○万円まで貸すことができますよ」と契約する時に記載される金額になります。
そのため契約額が利用可能金額と書かれることもあります。カードローン商品の融資額も「最高で800万円まで貸すことができますよ」と宣伝しますので、「契約極度額は最高800万円」とアピールしているのです。
けれど、実際はそこまで借りられる人は少ないですね。そこで使う言葉が利用限度額となります。
利用限度額とは
極度額で高額融資ができる用意がしてあることが分かっても、実際に極度額まで貸すかどうかは個別に決まりますよね。
「今のあなたの年収や信用力で貸すことができるのは△△万円までですよ」というのが利用限度額になります。「融資可能額」「利用限度額」「借入限度額」と呼ばれることもあります。
ただしこれらの言葉を使い分けずに、全て「利用可能額」「借入限度額」と表示しているところもありますので、全ての金融機関が極度額と限度額を区別している訳ではありませんよ。
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極度額は年収の1/3まで?!極度額が設定される理由
極度額は契約上で借入れできる最高金額となります。借入れできる最高金額と言えば、総量規制が関係してきますよね。
消費者金融や信販会社等の貸金業者が守らなければならないルールである貸金業法には、年収の1/3を超える借入れはできないとする総量規制があります。
そのため、極度額は年収の1/3を超えることはできないのです。繰り返しになりますが、800万円まで融資できる商品であっても、申し込む側の年収や信用力によって契約額は個別に決められるのです。
極度額があると便利な理由
それでは極度額が年収の1/3に設定された場合、実際に極度額まで借入れできるのかと言えば、そうではありません。
カードローンの特徴は「繰り返し何度も利用できる」ことなのですが、その度に契約書を作成したり、契約のために審査を行ったりしていては手続きが膨大なものになってしまいます。
金融機関側と利用者側の両方に手間がかかるため、不便ですよね。そこで最初から「この範囲までなら繰り返しお金の貸し借りが可能」という契約内容にしておくのが「極度貸付」となります。
何度も契約し直したり、審査を行ったりといった面倒を解消するためにも極度額が設定されていると便利なのです。
- 何度も契約し直す手間を省く
- 何度も審査を行う必要がなくなる
- 極度貸付で契約の範囲内で繰り返し借入・返済可能
- 極度額は年収の1/3まで
メリットやルールをまとめると上記の内容になりますね。極度額は年収と強い関係があるのです。「だけど、総量規制が関係するのは貸金業者だけでしょ?」と思う方もいますよね。
その通りです。総量規制は貸金業者に適用となります。けれど近年では貸金業者だけを取り締まっても、銀行カードローンが貸し過ぎていては多重債務者は減らないという指摘が増えています。
そこで、銀行カードローンでも総量規制を超える借入れは行わないように意見書が出されていますので、銀行カードローンであっても申し込む方の年収が関係していますよ。
極度額は年収の1/3までと割り切る
ここまで見てきて分かるように、極度額は年収の1/3までとすることを基本としています。
そのため高額を借入れしたいからと言って、複数社の極度額を調べて見たり、総量規制の抜け道はないか探してみたりすることは時間の無駄なのです。
もちろん闇金であれば総量規制など関係なく、いくらでもお金を貸してくれるかもしれませんが、そういったところで借りると利息が高かったり、返済が厳しかったり、利用者の得にはなりません。
なぜ総量規制があるのかを考えると、極度額は年収の1/3までが返済できる妥当な金額だということが分かります。
つまり極度額は年収の1/3までと割り切って、サクッと申し込みをした方が身のためですね。
意外に知らない!極度額はいきなり満額までは借りられない
契約時に極度額と利用限度額を見かけると、高額が書いてある極度額まで借りられると思ってしまう方もいます。
けれど既に紹介した通り、極度額まで借入れできる方はほとんどいません。例えば、極度額50万円、利用限度額20万円となっていたら、利用限度額の20万円までで借入・返済を行う方が多いのです。
それならどうして極度額を設定するのかと言えば、増枠のためですね。
増枠を勧めやすい
先程の例えで言えば、極度額50万円、利用限度額20万円の方が何度も借入れ・返済を繰り返し、金融機関と信用関係を結ぶことができてきた時に、次のステップは増枠になります。
↓
借入
↓↑
返済
↓
金融機関と信用関係を築く
↓
増枠
一度も滞らずに返済を行っており、利用が半年以上経過すると、増枠のチャンスが出てきます。この時に来店して契約書の書きかえをしたり、来店の必要があったりすると、増枠の魅力が半減してしまいます。
もちろん利用者が増枠して欲しい場合は、手続きが面倒であっても、来店して手続きを行いますが、そうではなく金融機関がもっと利用して欲しいと思っている場合は、手続きは簡単な方がいいですよね。
そこで、極度額を50万円で契約しておくことでメリットが出てくるのです。
極度額のメリット
極度額を設定していると、その金額までは契約書の書き換え不要で利用限度額を引き上げることができるのです。
電話やメールだけで契約の更改が可能になりますので、金融機関側が増枠したいと思った時に利用者が「いいですよ」というだけで、利用額を20万円から30万円へ引き上げることができるのです。
利用者の手間が無いため、利用者もOKと言いやすく、金融機関側も勧めやすいのがメリットですね。
- 利用者の来店不要で増枠手続きができる
- 電話やメールで契約の更改が可能
- 金融機関が増枠を勧めやすい
金融機関の中にはATMを利用する時に増枠案内が表示され、利用者が了承すれば、すぐに増枠になるというところもあります。
その理由は、極度貸付によって既に審査が済んでおり、極度額までは増枠可能になっているからですね。
金利は変わらない
増枠を行と、金利が下がるというメリットを聞くことがありますが、極度額で契約している場合は、極度額に応じて金利を設定している場合が多いですので、その場合は金利は変わりません。
例えば、極度額50万円、金利年14.5%、利用限度額20万円で契約している場合は、利用限度額が30万円にあがっても限度額のアップに伴って金利もアップということはならないのです。
これで納得!利用限度額が実際に借入れできる金額
ここまで極度額や利用限度額について見てきましたが、最初に紹介した通り極度額は契約する時の契約額となり、利用限度額は実際に借入れできる金額となります。
そのため極度額の範囲内で利用限度額を決定し、利用限度額の範囲内で実際に借入れを行っていくのです。
そして返済実績や金融機関と信用関係が結べると、利用限度額がアップしていき、極度額へ近づいていくのです。
借入 | 基準 |
---|---|
極度額 | 年収によって決定 |
利用限度額 | 極度額の範囲内で返済実績や信用度によって決定 |
利用限度額を決める時には、返済実績や信用度が関係しますので、これらは利用することで上がっていきますよね。
何度も借入・返済を繰り返していると返済実績はアップし、毎回遅れずに返済をしていると信用度がアップします。
そのため利用限度額は、利用中にアップすることができ、極度額の範囲内で簡単に増枠を行うことができるのです。
年収がアップすると極度額アップの可能性も?
それでは極度額をアップさせるにはどうしたら良いのか…極度額には年収が関係していますので、簡単に言えば年収がアップすると極度額がアップする可能性が出てくるのです。
年収がアップすると言えば、毎年の昇給や転職による収入アップですね。
- 毎年の昇給
- 転職による収入アップ
毎年の昇給であれば、数千円単位である場合が多いため、年収はたいして変わりません。そのため極度額のアップも望めません。
けれど転職による収入アップであれば、大幅に年収がアップすることもあり得ますので、極度額のアップもあり得ます。ただし勤続年数も関係してきますので、転職してすぐの申込みでは審査に通る可能性は低いです。
カードローンの極度額を増やすには、年収のアップが必要となり状況によっては難しいこともありますが、借入額を増やすには、利用限度額を極度額に近づけることから始めましょう。
- 安定した収入を増やす
- 他社からの借入れを減らす
- 延滞しない
- 借入れ・返済を繰り返す
- 利用履歴を長くする
上記がポイントになりますよ。